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2007年08月 アーカイブ

2007年08月06日

コラム「だからハリウッドは日本に媚を売る」

ここ数年、映画界で起こっている現象をご存知だろうか?

芸能関係のニュースがお好きな方ならなんとなく感じておられるかもしれないが、ハリウッド映画の日本進出である。

そうは言っても1~2年前に流行り、すぐに鳴りを潜めた「韓流」のようなものとは違う。ハリウッド映画の日本市場重視の姿勢のことだ。

ハリウッド映画に代表される北米で製作された映画は、もう数十年も前から日本では上映されてきたし、今更進出も何もないもんだと思われる方も多いと思うが、ここ数年のハリウッドの日本に対する姿勢はあからさまに親日に傾いている。

映画の公開前にその出演者達が頻繁に来日する。

全世界に先駆けて日本で先行上映される映画が増加。

映画の一部主要キャストに日本人が起用されるケースが増加。

作品のテーマが日本であったり、一部モチーフに日本文化を取り入れる。

更に言えば、

日本の映画作品やクリエイター、俳優が海外の映画際で賞を獲得したり、候補としてノミネートされたり・・・。

とにかく、ここ最近の海外映画界の日本びいきを数えあげていけばそのネタは尽きない。

なぜこのような現象が顕著になってきているのか?

それは、世界の映画界にとってその市場規模を「ついで」と割り切れないほど日本の市場が大きくなっているためである。

日本のマーケットを押さえることができるとできないとでは、その興行収入に1.5倍~2倍近くの差ができる。

例えば、トム・クルーズが主演した「ラスト・サムライ」。全米での収入は1億ドル(約120億円)だが、それに対する日本での収入はなんと100億円。ほぼ同額なのだ。

なるほどこれでは、アジアの一地域と割り切るには非常に勿体無い市場だ。

だからこそハリウッドは日本に媚を売る。日本の顧客に対してアメリカ人に対するのと同等のサービスを行う価値があるのだから。

実は、こういった日本マーケット重視の姿勢は、1997年に製作されたレオナルド・ディカプリオ主演「タイタニック」公開直後から始まったようだ。

「タイタニック」の全米での興行収入がおよそ6億ドル(約720億円)に対し、日本での配給収入は160億円を叩きだしたのである。
アメリカの映画マーケットは既に成熟しており、それ以上の大幅な収入の増加は見込めない状況であるのに対し、定期的に映画館に通うという習慣のない日本は、まだまだこれからという新興マーケットだ。

「狙うなら日本マーケット」と、この「タイタニック」の状況を見た映画関係者達は狙いを定めた。

かくして現在、日本の映画ファンは未曾有のサービスを受けている。映画の公開時期ともなれば海外のトップスターを間近に見ることができるし、様々なテレビ番組でも特別ゲストとして登場してくる。
へたをすると全世界で最初に新作映画を堪能することも可能だ。

願わくば、このまま日本の映画熱が冷めることなく、海外にとって美味しい市場であり続けて欲しいものである。

(2007/08/6)tank

2007年08月21日

コラム「相撲が朝青龍を殺す」

現在、謹慎処分中である横綱、朝青龍の問題は未だに沈静化する様子を見せない。

ケガを理由に一時帰国した朝青龍が地元のイベントで元気にサッカーをしていたことが発端となり、その後、相撲協会からの謹慎処分、高砂親方への監督責任の追求、そして朝青龍のストレス障害もしくは解離性障害、モンゴルでの日本バッシングと連鎖的に騒動が巻き起こっている。

多くの問題が立て続けに起こったため、相撲協会も高砂親方も果てはマスコミまでもが事をどのように収拾すれば良いのか皆目分からず、右往左往しているのが現状だ。

ここで少し、相撲協会と高砂親方、及びマスコミが取り上げている論点を整理してみると、

・朝青龍は本当に仮病だったのか?
・高砂親方の監督能力に問題があるのではないか?
・朝青龍のストレス障害(解離性障害)をどのように治療するべきか?
・朝青龍の今後の進退はどうなるのか?
・地元モンゴルでの日本(相撲)バッシングをどうするのか?

この5点だと思われる。

ここで考えて欲しい。今、最優先に解決すべきは何なのか?人間としてまともな心をお持ちであればすぐに分かることだ。

答えは、「朝青龍のストレス障害(解離性障害)をどのように治療するべきか?」である。

放っておけば死に至ることもあるストレス障害を何を置いても治療することが最も重要であり、その他の問題など大したことではない。

そもそも相撲協会も親方もマスコミも「ストレス障害(解離性障害)」という病気を甘く考えすぎだ。この病気は何の治療もしなければ鬱病などの重度の精神病に発展する恐れのある危険な精神障害である。

ストレス障害=重度のストレス

ではないと断言しておきたい。

それを恐ろしいことにマスコミに登場してくる元力士と称する無知なコメンテーター、相撲協会などは「稽古で汗を流せば治るんですよ!」などと時代錯誤も良いところな発言をしたりしている。

ストレス障害や解離性障害にかかってしまった患者は自分を取り巻く環境全てにストレスを感じてしまう状態だ。思考は常にネガティブであり、一切の外的刺激を遮断したいと思う反面、このように考えてしまう自分自身に対しても不安と焦燥を感じ、八方塞がりの状況に陥る。このような状態で稽古などさせれば症状が悪化することは間違いない。

「汗をかいて気分爽快!」などと感じられる状態ではないのだ。

一番の治療法は患者の全面的な理解者であり、擁護者である保護者含め家族の下で長期の投薬治療を行うか、入院をすることだ。

ストレス障害や解離性障害は早期に投薬治療を行えば1年~3年ほどで必ず治る病気である。が、治療が遅れれば重度の精神病に陥る。

しかしながら、これまで数人の医師が朝青龍を診断し、「急性ストレス障害」もしくは「解離性障害」と診断したにも関わらず、高砂親方はそれを認めようとしない。

次から次へと医師を変え、自分の納得できる診断を下させようとしている。

稼ぎ頭の朝青龍を失っては部屋の経営が苦しくなるという事情や朝青龍という子供を預けた両親への対応など、事を穏便に済ませたい気持ちも分からないではないが、このまま朝青龍の治療を長引かせれば取り返しのつかないことになる。朝青龍の身が心配だ。

今回の問題は、弟子の身よりも自分の事情を優先してしまう高砂親方が一番の原因であるように思う。

親方は力士の親代わりであるのなら、朝青龍の身を一番に考えてあげてほしい。

(2007/08/21)tank


2007年08月31日

コラム「相撲が朝青龍を殺す その2」

朝青龍が病気療養のため、ようやくモンゴルに帰国した。

しかしながら、療養中の行動の自由は相撲協会から許されておらず、繁華街への立ち入り禁止や24時間の監視体制など厳しく制限が設けられているようだ。また、万が一帰国中にそういった制限を破るなどの問題を起こした場合、朝青龍には高砂親方ともども廃業という厳罰が下されるとのことだ。

この厳しい処置は、なかなか思い通りにならない横綱へのある種感情的な制裁に近いものがあるように思う。

これで朝青龍がモンゴルで遊び歩いていたりする記事がスクープされ、さもありなんと相撲協会が朝青龍と高砂親方を廃業に追い込む・・・そんなシナリオが既に出来上がっているような気がする。

彼らを廃業に追い込むことで怒り狂った相撲協会が溜飲を下げるかどうかは知ったことではないが、こういった相撲協会の感情に任せた一連の処置は角界に留まらず、国際的な問題に発展しかねない非常に危険な処置であると忠告しておきたい。

最悪、日本が国際非難を浴び、政府が収拾に乗り出すという大事になりかねない。

相撲協会の朝青龍への一連の処置は、客観的に見た場合、人権侵害に抵触する恐れが十分にあるのだ。

以前、テレビのワイドショーのコメンテーターが、「相撲協会を会社とするなら、その会社員である朝青龍は病気の治療に関して相撲協会の指示に従わなければならない。」と話していた。このコメント自体もかなり問題なのだが、あえてこのコメントを元に考えた場合、相撲協会という会社が朝青龍という社員に対して行った処置は、法に訴えられてもおかしくない程の人権侵害である。

1.朝青龍が療養先のモンゴルでサッカーをしたというだけで仮病と決め付け、詳細な調査も決定的な証拠もなく出場停止などの一方的な処分を下したこと。

これを会社で例えると、風邪で会社を休んだ日に取引先から電話で急な用事を頼まれた為、手伝ったというだけで会社から一方的に仮病と決め付けられ、「しばらく会社に来なくて良いよ。その分給料出ないよ。」と告げられるということである。

朝青龍がプレイしたというサッカーもモンゴル大統領に頼まれて出場したものであり、プレイした時間もフルタイムではない。大統領に頼まれたという時点で国家絡みのイベントであるので朝青龍にとっていわば公務である。遊んでいたわけではないのだ。
サッカーをしていた朝青龍自身も「元気そうだった」というだけで、「仮病だった」のではない。大統領が関わるイベントであったため、あえて苦しそうな表情を出さなかったのかもしれない。簡単に弱みを見せることができない横綱という日本を代表する立場であるならなおさらだ。

朝青龍に処分を下したことが問題なのではない。しかし、処分を下した理由が「仮病っぽいとマスコミに騒がれている」というあまりに希薄な根拠を前提としていることが大問題だ。

2.精神的な障害が疑われる朝青龍に対して、まず家族に説明し相談することもなく、勝手に高砂親方や相撲協会が診断する医師などを次々と変え、治療を遅らせたこと。

これを会社で例えるなら、病気が疑われる社員に対して本人やその家族に相談することなく、その意志や考えを無視して、会社が診断する医師や治療方針を決め、社員に対して押し付けるということである。

こんな会社がもし実在するとしたら、行政指導どころの騒ぎではない。さらに朝青龍のケースでは病人の行動の自由まで奪ってしまっている。

3.朝青龍が病気療養のためモンゴルに滞在している間、24時間の監視体制を敷くとともに、繁華街などへの娯楽施設に出入りすることを禁じ、違反した場合は親方ともども廃業させるとしていること。

これを会社で例えるなら、実家で病気療養中の社員に対して会社が24時間の監視を行い、もしその社員が友人とビールを飲みに行ったり、スポーツ観戦をしたりした場合、即刻解雇するということである。

気分転換も許されない病気療養とは一体何だろうか?いかなる理由があろうと社員を24時間監視し続けるようなことも許されるはずがない。もしこんな会社があったとしたら、という前提自体がバカバカしくなる。断言しても良いが、こんなパワハラを平然と行うような会社は今の日本にはない。人権無視も良いところだ。

これらの制裁を受けているのが一個人と考えた場合、いつ訴えられてもおかしくない状況であることを相撲協会や高砂親方は理解しているのだろうか?

モンゴルではこれらの人権侵害について既に国民が騒ぎ始めている。が、モンゴル大統領は日本と友好関係を保ち続けたいという政治的思惑があるため、今の所、特に日本を糾弾してくるような態度は見せていない。しかしながら、モンゴル大統領が国民の声に耐え切れなくなり、日本を糾弾してくるのはそれほど遠くないと思われる。そうならなくとも、海外のメディアが事の詳細を把握した段階で、国際世論によるかなりの非難を覚悟しなければならない。

その場合、非難の的は相撲協会という一団体ではなく、日本という国に集中することは間違いない。しかも朝青龍はモンゴル人、国際問題だ。

朝青龍という個人に対する制裁の是正について日本政府もそろそろ重い腰を上げるべきだと思うのだが・・・。

(2007/08/31)tank


          

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