コラム「『ひぐらしのなく頃に』と『あの作品』の共通点!?その1」
さて、「ひぐらしのなく頃に」である。
元々同人ソフトとして竜騎士07氏とその弟である八咫桜氏が製作し2002年夏のコミックマーケット62にて最初の作品「鬼隠し編」を発表したものだ。
同人ソフトと言ってもいわゆる18禁ものではなく、それどころかゲーム中選択肢もなく、キャラクターや背景などのビジュアルと共にシナリオを読み進めていくというゲームと言うよりはビジュアルノベルの類に含まれる内容であろう。
選択肢が全くないため、マルチシナリオなどとは異なり主人公の行動や言動によって物語が変化することはない。
発表当初はそれほど認知度のあるものではなく、その後の「綿流し編」「祟殺し編」と共に数ある同人ソフトの一つに過ぎなかったが、2004年に公式サイトで体験版として「鬼隠し編」が無料で配布された頃よりインターネット掲示板のクチコミで火が付き、ウワサが瞬く間に広がった。
ゲームの内容を少しご説明すると、田舎の村に引っ越してきた主人公の少年がそこの学校のクラスメイトの女の子たちと楽しくも慌しい日常を過ごしているうちに、毎年村祭りの日に人が殺されたり神隠しにあったりするという村の異常性に気づき、誰を信用して良いのか分からない孤立した状態の中で真相を調べようとするサスペンスホラーである。
このように書くとサウンドノベルによくあるジャンルなのだが、「ひぐらしのなく頃に」にはある特徴が存在する。
ゲーム内で謎が「解けない」のである。
従来のサスペンスものであれば、「犯人当て」や「謎解き」などのオチが用意されているものであるが、「ひぐらしのなく頃に」にはそれが存在しない。
主人公が最後どうなったのかというオチは用意されているのだが、「なぜ人が殺されるのか?」「なぜ人が神隠しに遭うのか?」「犯人は誰なのか?」などの謎は投げっぱなしなのだ。
だからこそ、インターネット掲示板やブログなどで所謂「考察」が盛り上がり、ブームを引き起こしたとも言える。
「ひぐらしのなく頃に」は「鬼隠し編」「綿流し編」「祟殺し編」「暇潰し編」の4本、更にその後に「ひぐらしのなく頃に解」として「目明し編」「罪滅し編」「皆殺し編」「祭囃し編」の4本、計8本がオムニバス形式の本編タイトルとしてリリースされている。リリースされている順番もこの順番である。
前半の4本が出題編として謎を投げっぱなし、後半の4本が出題編4本のそれぞれのストーリーの謎を解く内容となっている。
すなわち、ユーザーが謎の解答を知る前に次々と新しい謎を投げかけ、後半一気に解答をしていくという流れである。
このリリースの順番が、「出題」→「解答」を4回繰り返す順番であったらどうであろうか?
恐らく、1本目、2本目あたりでユーザーは満足し、3本目まで購入しようという意欲はかなり損なわれていただろう。
しかしながら「ひぐらしのなく頃に」は、2年間に渡って出題編を出し続け、更にその後の2年間、解答編を出すことによって、計4年間にも渡り話題を持続させることに成功している。
ここでふと、これと同じような展開を行った過去の作品を思い出す。
その作品も「ひぐらしのなく頃に」同様、多くの謎を投げかけ、「ひぐらしのなく頃に」とは比べ物にならない程の一大ムーブメントを作り上げたのだが・・・。
(2007/07/19)tank
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