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コラム「恥を忘れた親たち」

実は先日、私は子供の遠足に同行した。

保育園が主催する親子遠足だったのだが、私は2歳になる自分の子供とともに参加したのだ。全体では約40家族が参加していた。

私たち家族は父親である私のみが同行したのだが、母親が同行している家族や私と同じく父親が同行している家族、休日ということもあってか両親ともに参加している家族など実に様々だ。

保育園から出発したバスに揺られること30分。緑いっぱいのナントカ公園に到着した。
そこは様々な植物が植えてありつつもアスレチックの遊具が点々と設置してある広大な公園だった。

さて、バスを降りたところで皆が集まり保育士の方から各説明と今日のスケジュールを聞いたのだが、まず驚いた。

5~6人の5歳くらいの子供たちが説明している保育士の方々のまさに傍らににある石垣に登って遊んでいるのである。子供の頃から「先生の話はじっとして聞け。」と教育されてきた私は少々とまどった。

しかも、そのことを保育士の方々もその子たちの親も特に気にもしていないようだ。ふと周りを見ると大勢の父兄の方々の中に、じっとしていられずもがく子供たちを必死で押さえつけている何組かのご両親のほほえましい姿が目に入った。

なるほど、確かに私が子供の頃にもああいったある種「自由奔放」な家庭もあったような気がする。こういった場では保育士の方たちも親をさしおいて子供に注意するのは気が引けるだろう。

私はある意味納得して、暴れる我が子を押さえつけつつ保育士の方の説明に再び耳を傾けた。

説明後、広場に移動し、実に様々なことを行った。写真撮影に体操、ダンスや遊戯など、私も久々に体を動かしつつ子供とともに楽しい時間を過ごした。

さて、数時間後、保育士の方が地面に大きなブルーシートを敷き始めた。「なんだろ?」と思いつつ眺めていたところ、園長先生が説明を始めた。

「さて、そろそろ昼食のお時間です。皆様にはこちらのブルーシートの上でお弁当を召し上がっていただいて・・・。」と説明を続けようとした時である。

ドドドドドド!

40家族が一気に動き始めた。そう、「場所取り」である。

私は唖然とした。園長先生の話も聞かず、ただひたすらブルーシートの日陰のスペースを狙って皆必死の場所取り。

私もつい釣られて動きそうになったのを「ちょっと待て」の心の叫びで思いとどまった。
ふと周りを見ると私を含めた3~4家族のみがじっと動かず園長先生の説明を聞いている。良かった私は間違っていなかった。しかしともすれば、説明を聞いている人たちの方が非常識であるかのように錯覚してしまう状況だ。

園長先生はそのような状況の中、何事も無いかのように説明を続けている。しかしほとんど誰も聞いていない。皆、場所取りに必死。

私は「こりゃダメだ」と思った。親たちがこんな状態で、子供の躾などできるはずがない。「子供は親の背中を見て育つ」と言うが、親が先生の言うことをじっと聞くことができないのに、どうしてその子供にそれができよう。

学校で「先生の言うことは黙って聞け」などと諭しても聞くわけがない。授業中席に座っていられない子供たちが急増しているらしいが当たり前である。

そもそも説明をしてくれている園長先生に失礼ではないか。もう「相手に失礼だ」と感じるモラルも崩壊してしまったのだろうか。

私はこのようないわゆる「恥知らずな親」は全体の一部で増えているのだと思っていたのだが、どうやらそれは大きな間違いだったようだ。なにせ40家族中の90%以上が「場所取り」に殺到しているのだ。

そして、私は先ほど場所取りに動く親たちを目にして、一瞬釣られかけた。それは、話をじっとして聞くという行動をとっていた家族が極少数だったからだ。
だから説明をしている園長先生を放っておいて場所取りをするのが当たり前の行動のように錯覚したのである。恐らくこのようなことは今後も多々あるに違いないと思う。そしてその度に自分のモラルの声を聞かなくてはならない。

このような急速にモラルが失われていく社会で、自分の子供に礼儀や分別を教えながら子育てをするのならば、親は強烈なモラルを持っていなくてはならない。少々のモラルでは流されてしまう。大変な世の中になってしまったものだ。

「子供はやっぱり私立かな」と久々に親らしい考えが頭をよぎった。

(2007/06/18)tank

コメント (1)

トラックバックが付いているのを今気づきました(笑。
すみません。m(_ _)m。

で、普段は習慣的に問題なければ「承認」で終わるのですが、
さすがにこのネタ(笑)は読んでしましいました。

たしかに当たり前の常識がすでに崩壊しつつありますね。
でも、信念を持っている親もいるということで、少し安心しました。
子供からさらに孫へ「礼と義」の当たり前のことが当たり前として
伝わるといいですね。

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