2番目の再編はソフトメーカーの再編だ。現在、ソフトメーカー、特に中小規模のメーカーは非常に難しい立場に立たされている。
理由は1番目に挙げた「携帯ゲーム機主導の市場」と「次世代ゲーム機の発売」である。
ゲーム市場の主導権が携帯ゲーム機になったからと言って、ソフトの販売本数がどんと増えるわけではない。
実の所、土俵が変わっただけでソフトの販売本数自体はそれほど変わらないのである。
ましてや、これまで携帯ゲーム機のタイトルをほとんど発売してこなかったメーカーのタイトルは据置き機での販売本数よりも減少する傾向さえある。
携帯ゲーム機向けのソフトは開発費を安く抑えられるじゃないかと言われるが、確かにその通り、開発費は安い。しかしながら、携帯ゲーム機のソフトは、販売価格も安いのである。
よほどの人気タイトルでもない限り、据置き機同様、6800円という価格をつけることはできない。
せいぜい5800円、通常4800円という価格設定に落ち着けることになるのだ。
そうなるとメーカーが得るソフト1本あたりの利益は据置き機向けタイトルと比べ減少することになる。
その場合、ソフトメーカーは、1年当たりの発売タイトル数を増やすという戦略を取るのだが、この戦略がかなりの曲者なのである。始めに言っておくと、この戦略自体は間違っていない。
ここ1~2年のような不安定な市場環境下において、ある程度発売タイトル数を増やすことは、企業収益を確保する上で効果的であるし当然の経営判断と言える。
しかし、「ある程度」というのが非常に重要なキーワードであることも忘れてはならない。
普段から多くのタイトルを発売している大規模メーカーでもないのに目に見えて発売タイトルが増え続けた場合、大多数のユーザーが感じるのは「粗製濫発」である。実際に「粗製」でなくともユーザーにそのように感じられてしまうと、あとはジリ貧である。
大企業に吸収されるか、そのまま倒産するかという二者択一を迫られることになる。
実は、これによる中小企業の淘汰は既にある程度まで進んでおり、10年前と比べてソフトメーカーと呼ばれる企業がかなり減少していることは事実だ。
更に、そのような状況に「次世代ゲーム機の発売」が追い討ちをかける。
次世代ゲーム機向けのソフト開発は、開発費が格段に上がる上、まだこの時期はハードウェアが世の中に出回っておらず、販売本数も確保できない。
まさに中小ソフトメーカーにとっては、舵取りの難しい局面と言える。
今後、更に再編が進み、個人的にゲームソフト市場は自動車産業のようにごく少数の大規模メーカーによる寡占市場になっていくのではないかと考えている。
(2006/12/03)tank